わきがの手術方法には主に吸引法や剪除法、超音波法などがあります。
吸引法は、わきに数?穴を開けて、そこにストローのような細長い管であるカニューレを挿入してアポクリン汗腺を吸引する方法です。
吸引法によるわきが手術は、傷跡がほとんど残らず施術時間も30分ぐらいと非常に簡単にできますが、アポクリン汗腺を完全に取り除くことはできず効果は劣ります。
ですから、わきがの症状がそれほどひどくない場合には向いています。
吸引法によるわきが手術の費用は、約15万が相場のようです。
剪除法によるわきが手術は、わきの下を3〜4?程メスで切開し、アポクリン汗腺を完全に除去する方法です。
皮膚を切り開きますので、当然手術後は2〜3週間激しい運動ができなかったり、わきの下のケアに注意を要したりしますが、わきがの治療としては最も効果がある手術方法です。
重度のわきがの場合は、剪除法によるわきが手術をすることが必要でしょう。
剪除法によるわきが手術の費用は、約30万〜40万円が相場のようです。
超音波法によるわきが手術は、脇下の皮膚を数?切開してそこに超音波を発生させる機器を挿入し、超音波がおこす振動によってアポクリン汗腺を破壊して吸引する最新の手術方法です。
超音波によって吸引法だけでは完全に除去できなかったアポクリン汗腺も破壊出来ますので、わきがの治療の効果も高くなります。
超音波法によるわきが手術の費用は、約30万〜40万円が相場のようです。
私たちは暑いときに汗をかきますが、これは汗をかくことによって体の体温さげるための働きです。
それ以外にも人前で話をするときなど緊張しているときにも汗をかきます。
これらの汗をかくという反応は、私たちが汗を止めようと思っても止めることが出来ません。
この汗をかくという反応は、私たちの意志とは無関係に働く自律神経と呼ばれる神経によって制御されています。
自律神経にはお互いに相反する作用をする交感神経と副交感神経があって、汗をかかせるときには交感神経が働き、汗を抑えるときには副交感神経が働いています。
交感神経が活発に働くと、アセチルコリンという神経伝達物質が汗腺に向かって放出され汗腺が刺激を受けて汗をかくのです。
ボトックス注射は、ボツリヌス菌の毒素を利用した施術法なのですが、ボトックスはこのアセチルコリンの放出を抑える作用があって、汗腺が刺激されるのを抑制しますので、ボトックス注射した周辺の汗腺から汗が出にくくなり、多汗症の症状が改善されるという訳です。
ボトックス注射のメリットは、注射をうつだけですので施術にかかる時間が10分程と短時間で終わることです。
また、手術のように傷跡が残ることもありませんし、ボトックス注射をしたその日から入浴や運動もできます。
ボトックス注射のデメリットは、効果が半年程でなくなってくることです。
ボツリヌス菌の効果は次第に衰えてきて汗腺が再び働きはじめるため、汗のかく量は元に戻ってしまいます。
また、重度のわきがでは効果があまり現れないこともあります。
ボトックス注射の費用は約10万円〜15万円ぐらいが相場のようです。
汗は汗腺と呼ばれるところからでてくる訳ですが、この汗腺の主なものにエクリン汗腺とアポクリン汗腺があって、それぞれでてくる汗の成分が異なります。
エクリン汗腺は比較的小さな汗腺で皮膚の浅いところにあり直接皮膚表面に出口があります。
エクリン汗腺の働きは、汗が蒸発することによる気化熱によって皮膚から体温を奪い体温を下げる、体温調節の働きをしています。
エクリン汗腺は全身に分布し、エクリン汗腺からでる汗の成分の99%は水分で1%が塩分とで構成されて、汗量もたくさん出ます。
ですから、多汗症の方の場合はこのエクリン汗腺が発達しているので汗をよくかくのです。
エクリン汗腺からでる成分のほとんどが水分で臭いの元となる成分はありませんので、わきがの臭いの根本的な原因にはなりませんが、水分が流れることによってわきがの臭いの元を広げてしまうという意味でわきがの原因となる訳です。
アポクリン汗腺は、エクリン汗腺の10倍程の大きさがあり、皮膚の深いところにある汗腺です。
アポクリン汗腺は、わきの下や乳首、陰部、中耳など限られた部分に分布しており、毛穴に出口があります。
アポクリン汗腺の働きは、フェロモン分泌器官とも呼ばれているようにこの臭いによって異性を引き寄せて、子孫を繁栄させる手段として分泌されるようです。
アポクリン汗腺から出てくる汗量は少なく、汗の成分は脂肪やたんぱく質、蛍光物質が含まれていて、わきがの臭いの元となるのがこれらの成分なのです。
わきが体質の方のアポクリン汗腺は、普通の人より発達していて大きく、数も3倍ほど多くあると言われています。
わきの下はよく汗をかくように思われがちですが、実際にはそれほど多くはありません。
ではなぜわきの下が汗をよくかくように思われるかというと、わきの下は体と腕に挟まれて通気性が悪く汗が蒸発しにくいため汗がたまるからです。
また、わきの下は他の部分より低い体温で汗がでるようになっているからなのです。
このように、わきの下は汗がこもりやすい構造になっていますので、臭いも発生しやすくなるのです。